活動報告
2022.12.26
国防3文書
12月16日(金) ※掲載遅くなりました。。
今年は安全保障政策の最大の転換点になる、とずっと発信してきましたが、12月16日、新たな国防3文書(※)が閣議決定されました。
※「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」
今年2月のロシアのウクライナ侵略以降、安全保障に関する意識が大きく変わりましたが、それ以前から日本の安全保障政策の転換が必要な状態でした。
最大のポイントは米中の対立。近い将来に米国と中国の国力の接近(もしくは一時的な逆転)が見込まれる中、中国が力による一方的な現状変更の試みを強化してきており、東アジア地域は世界で最も強い緊張をはらんでいます。
そして、30年前には日本の約10分の1であった中国の国防費は、現在、日本の4倍を超えており、その差は激しい勢いで拡大しています。加えて、北朝鮮やロシアも地域や世界の脅威・懸念となっています。
こうした中、日本が防衛力の抜本的な強化を行うのは、一部に批判がみられるように戦争が起きやすくなるのではなく、逆に戦争を起こさせないようにするために重要な意義のある取り組みです。
昨年の後半、とりわけ年末から新たな三文書の策定に向けた議論が始まり、自民党の国防部会・安全保障調査会で何十回と熱心な議論が交わされました。私もこの議論の中で、「『防衛計画の大綱』が短命化しており、位置付けを改めること」、「防衛力の抜本的強化にあたり、足元の令和5年度から予算額の大幅な増加が必要なこと」などを提言しましたが、大勢の方の尽力でこれらを実現をすることができました。
今回の三文書の裏付けとなる今後5年間の43兆円の予算も確保されました。あらゆる分野において能力を強化できますが、中でも反撃能力の保有により抑止力を高めること、また、万一の備えとして持続性・強靭性を強化することで相手方の侵攻の意図を断念させること、などがとりわけ重視されています。更に、自衛隊の庁舎(職場の建物)や隊舎(住宅)が他省庁のものと同様に建設国債の対象となりますが、これも長年の課題でした。
なお、「防衛力の強化ではなく外交努力を」という議論もみられますが、むしろ、外交力を支える要素としても防衛力があることを直視すべきと思います。強化された防衛力と相まって、平和と安全を守るための外交の力が一層発揮しやすくなります。