活動報告
2022.12.19
与党 令和5年度税制改正大綱①:NISA(ニーサ)
12月16日(金)
今年の税制改正大綱の目玉は、私も深く関わったNISA(ニーサ)の抜本的拡充でした。
まず、NISAは家計による資産形成の支援を主な目的とする優遇制度ですが、これまでは時限措置であるとともに、英米などと比べて優遇規模が非常に小さいものでした。
日本の家計の金融資産は約2000兆円という規模ですが、伸び率は英米に大きく見劣りをしています(日本は2000年以降で1.4倍。アメリカは3.4倍)。これには預貯金や有価証券などの保有比率の違いが大きく影響を与えており(※超低金利で預貯金では資産が増えない)、そのために政府も長らく「貯蓄から資産形成へ」をうたってきました。NISAはそのための政策ですが、元祖である英国のISAと比べて優遇対象の額が一桁小さく、これが保有資産の転換が進まない大きな原因の一つとされてきました。
今回、岸田総理が資産所得倍増を唱え、その中核としてNISAの抜本的拡充と恒久化が実現し、優遇の規模も英国と並ぶ水準になりました。
意図的か分かりませんが、資産形成について「金持ち優遇」とするレッテル貼りがあります。しかし、この政策の目的は、中所得者層・低所得者層を含めた、そして若年層も含めた家計の多くが少額(100円や1000円など)からでも長期積立分散投資を実践して、安定的な資産の形成を図ることにあります。リスクがゼロになることはありませんが、時間を味方につければ、リスクをコントロールしながら預貯金よりもずっと大きなリターンを得ることができる機会になります。
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令和6年からの適用ですが、これまで敬遠してきた方々も(とりわけ「つみたてNISA」に)注目していただければと思います。